2018年6月にネット通販サイトとしてオープンしました。
現在は、個人事業からNPO法人への移行により「NPO法人PIPPO」の事業として運営しています。
福祉施設の商品は「売るところがない」「売れない」
私がこのサイトを始めようと思ったきっかけは、福祉施設で働く友人の「売るところがない」「商品が売れない」という話を聞いたことでした。
友人の話を聞くまで、私は、障がい者福祉施設が物を作り、販売しているということさえ知りませんでした。
ネットや本で調べたりして、障がい者福祉施設にはいろいろな種類があり、そこで、軽作業やモノづくりをしているということを知りました。施設独自で作っている製品を行政施設やイベント等での販売をして、それらが売れると作り手の工賃(お給料)になっています。
その当時、工賃の全国平均は約16000円ぐらい。福祉事業の中で商売をしているということにも驚きましたが、工賃の金額にはもっと驚きました。「どうやったら売るところが作れるだろう?」「どうやったら買ってもらえるんだろう?」といろいろ考え始めました。
福祉施設の商品は「なかなか買えない」「お洒落じゃない」
「どうしたらよいかな?」と頭をひねりながら、自分でも福祉施設の商品を購入することがふえ、そこで困ったことが2つでてきました。
まず、「なかなか買えない」ということです。
地域で定期的に開催されるバザーや販売会は、平日の昼間しか開催されなかったり、ネットで買える商品は限られていました。当時、私は1歳に満たない子供がいました。赤ちゃんを連れてどこへでも出かけられるわけでもなく、製品が買える不定期のイベントにはなかなか行けず、ネット通販をやっているところも少ない状況でした。「思うように欲しいものが買えないなぁ」というもどかしさがありました。
次に、「あまり、お洒落じゃない・・・」
「お洒落じゃない」とはどういうことだ?!と言われてしまうかもしれませんが、あくまでも「あまり」です。あと一押し!もう少しだけ手を加えるだけで、見違えるぐらい素敵になるのに!そう思う商品がたくさんありました。
「今より手軽に買えるようにする」「もう少しだけ可愛かったり、カッコよかったりする」
それだけで、もっと消費者に手に取ってもらいやすくなり、そして、作り手の賃金を上げることができるのではないか?ここから、ネット通販サイトPIPPOがスタートしました。
「福祉を身近に、福祉を日常に」
「福祉を身近に、福祉を日常に」これが私の実現したいことです。
障がい者福祉施設のコーヒーを毎日飲む。
ハンディキャップのあるクリエーターの絵を家に飾る。
プレゼントに施設のアクセサリーを贈る。
休日に福祉施設のワークショップへ行く。
生活の一部に「福祉」製品を取り入れて、日常にする。
そんな生活を私は続けてきました。すると、以前よりも障がい者福祉を身近に感じるようになりました。それは元々身近にあったもので、共に生活してきたのに、私が見過ごしていたことばかりでした。以前の私の様に、障がい者福祉に直接関わらない人は、勉強したり、意識しないと 障がい者福祉がとても縁遠いものだと感じています。まるで、自分には関係ないことかのように思っている人も多いかもしれません。
私はこの事業を初めてから、友人や親類などにいろいろな商品を贈ることことが増えました。その効果なのか、ほとんどの人が今ま知らなかった障がい者福祉の分野に興味をもち、福祉のことをもっと知りたいと言ってくれるようになりました。また、家族や親族の障がいがある方について話してくれるようになりました。友人の中には、積極的にボランティア活動に参加したり、福祉の資格取得をした人もいます。
しかし、実際に障がい者福祉に貢献したい!と思っていても、多忙な毎日を送っていると、生活していくことに精一杯で、寄付をしたり、ボランティアに参加したりすることは、難しいのではないでしょうか?
「福祉」の製品を買うことは、気負いなくできる社会貢献活動のひとつです。
日常の購買活動に、「福祉」製品を取り入れるだけで、継続的に作り手や障がい者福祉を支援することができます。
PIPPOは、「福祉」の製品を買ったり、使ったりすることを日常にすることで、ハンディキャップのある作り手や障がい者福祉を支援できるライフスタイルを社会に広めたいと考えいます。